おすすめのホテル・インテリア・デザイン
「Vol.1 快適な宿泊体験をサポートする家具」では、宿泊体験の多様化と、快適な宿泊体験をゲストに感じていただくための家具の重要性について述べてきました。それでは次に、インテリアの参考にしたい宿泊施設をいくつかご紹介します。
目次
1.NOT A HOTEL
2.白井屋ホテル
3.HOTEL THE LEBEN OSAKA
4.Haluta
5.MUWA NISEKO
6.SIMOSE
7.COMICO ART HOUSE YUFUIN
8.Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS
9.WORM
10.ししいわハウス軽井沢
1.NOT A HOTEL TOKYO

NOT A HOTELは、従来のホテルの枠にとらわれず、自由でユニークな体験を提供する新しい形態の宿泊施設です。中でもNOT A HOTEL TOKYOは、ファッションデザイナーであり、BATHING APEの創業者でもあるNIGO氏が関わるプロジェクトの一つで、NIGO氏は、NOT A HOTEL TOKYOのコンセプトやデザインに深く関与しており、彼の独自のセンスが反映された空間となっています。NIGO氏は、NOT A HOTEL TOKYOの空間作りにおいて、ファッションやアート、そして彼自身が大切にしている日本のカルチャーを取り入れた独特な雰囲気を作り出しました。ホテルのデザインや内装においても、彼のファッション感覚やアートへの深い理解が色濃く反映されており、宿泊者はまるで彼の世界観の中にいるような体験を楽しむことができます。特にNIGO氏が敬愛するジャン・プルーヴェやピエ―ル・ジャンヌレの家具が並ぶリビングダイニングは圧巻です。
https://notahotel.com/next/tokyo
2.白井屋ホテル
白井屋ホテル(しらいやホテル)は、群馬県高崎市にある、非常に歴史的でありながら現代的な要素を取り入れたラグジュアリーホテルです。元々は1863年に創業された「白井屋(しらいや)」という宿泊施設が起源で、長い歴史を持つ伝統的な宿です。藤本壮介氏の手掛けた白井屋ホテルの改修では、伝統的な日本の建築の美しさと現代的なデザインが融合しています。彼の特徴的なアプローチである、「空間の流れ」や「自然素材の使用」が感じられ、ホテル全体がとても開放感に満ちた、温かみのある空間に仕上がっています。例えば、既存の建物の歴史や文化を尊重しつつ、モダンで洗練されたデザインを取り入れ、室内空間には光の取り込み方や素材の質感、そして自然との調和が意識されています。藤本壮介氏らしい、シンプルでありながら感動を与える空間が特徴です。
https://www.shiroiya.com/
3.HOTEL THE LEBEN OSAKA

HOTEL THE LEBEN OSAKAは、大阪市に位置するスタイリッシュで洗練されたホテルです。ホテル内はシンプルでありながらも上品で、ゲストがリラックスできる落ち着いた空間が広がっています。客室はモダンで清潔感があり日本特有の習慣である「部屋で靴を脱ぐ」ことによって、ゆっくりと羽を伸ばせる空間を提供しています。快適なベッドと、機能的なアメニティを完備しており、長時間の滞在でも快適に過ごせるよう配慮されています。ホテル名の「LEBEN」はドイツ語で「人生」を意味し、ゲストにとって快適で充実したひとときを提供するというコンセプトが込められています。
https://leben-hotels.jp/
4.Haluta
haluta(ハルタ)は、特に北欧デザインをベースにした家具やインテリアを提供していることで知られています。そのhalutaが2022年に軽井沢追分に本社機能を移転してオープンしたのがhalutaのフラッグシップストア兼複合施設であるstill(シュティル)です。かつてドライブインであった建物を改修して作られたシュティルには、家具のショールームである「ハルタ カルイザワ」や国産の小麦と軽井沢の水を使って作るパンが有名な「ハルタ ベーガリ」をはじめ、ホテルでは家具好きにはたまらないヴィンテージ家具がお出迎えしてくれます。
https://haluta.jp/
5.MUWA NISEKO

日建設計の設計によるMUWAブランド世界初のホテル、「MUWA NISEKO」は、北海道・ニセコ中心地にあるスキーイン/スキーアウト可能な高級リゾートとして知られる宿泊施設です。ニセコは、特に冬のスポーツ、特にスキーやスノーボードが非常に人気で、パウダースノーを求めて世界中から多くの観光客が訪れます。MUWA NISEKOは日本の伝統的なデザインと現代的な快適さを融合させた施設で、クラフトマンシップへのこだわりを大切にしています。グラン・ヒラフスキーリゾートの麓という利便性を活かし、雪山を楽しむための拠点としても適しています。館内には、絶景のインフィニティ温泉やスパ、そしてレストランを2店舗備え、五感を満たす特別な体験を提供します。特に、ニセコの美しい自然環境や豊富なアクティビティが魅力で、四季折々の風景やアクティビティを楽しめます。そのホスピタリティとデザイン性から「ミシュラン・ワンキー(One Key)」および「ワールド・ベスト・ニュー・スキーホテル 2024」を受賞しました。
https://www.muwaniseko.com/
6.SIMOSE
広島・大竹市にあるアート複合施設「SIMOSE(シモセ)」のヴィラは、全10棟からなる“泊まれる建築作品”です。世界的建築家・坂茂氏が手掛け、瀬戸内海の自然と調和した2つのエリアで構成されています。木立に囲まれ、プライベートを重視した「森のヴィラ」は全5棟。坂氏の過去作品の再解釈「紙の家」「壁のない家」「十字壁の家」「ダブルルーフの家」「家具の家」など、各棟それぞれ異なる個性と自由な空間を提供します。なかでも「紙の家」は110本の紙管構造、美しいS字の間仕切りと露天風呂が見どころです。美術館とつながる水盤沿いに並び、Kielsteg(キールステック)というオーストリア製木製パネルを全面に使用した水辺のヴィラは、木のルーバー構造が軽やかで、海を望むテラスやジャグジー付きの棟もあります。瀬戸内海と宮島を望む絶景、自然と建築の融合を非日常的に味わえる、大人の隠れ家です。
https://artsimose.jp/
7.COMICO ART HOUSE YUFUIN

COMICO ART HOUSE YUFUINは隈研吾氏が設計を、原研哉氏がロゴデザインを手掛けた一棟貸しのプライベートな温泉付き宿泊施設です。同じ敷地内の「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」では草間彌生、宮島達男、森万里子、村上隆、奈良美智、名和晃平、杉本博司ら日本を代表する現代アーティストの作品も楽しめます。施設のデザインは、「ムラ」の概念を念頭に、由布院の風景との調和を重視した形で作られており、建物自体もアートとして楽しめる要素があります。周囲の美しい景観と一体となった空間は、訪れる人々に感動を与えることでしょう。
https://www.camy.oita.jp/comicoarthouse
8.Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS
新潟・燕三条にある「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」のヴィラは、建築家・隈研吾氏が手がけた、自然と調和する設計が特徴のラグジュアリーな滞在施設です。ヴィラは100㎡のスイートと50㎡のジュニアスイートの2タイプがあり、いずれも大きなガラス窓が外との境界を曖昧にし、眼前に広がる粟ヶ岳や森の景色を室内に取り込みます。インテリアには、天井一面に施された薪材や土壁、地元で再利用された廃材がふんだんに使われており、洗練された中にも素朴さと土地の息づかいを感じられる空間に仕上がっています。家具はアルフレックスなど上質なものが揃い、控えめな色調と柔らかな光が心を落ち着け、非日常のくつろぎを演出します。
https://www.snowpeak.co.jp/fieldsuitespa/hq/
9.WORM

淡路島・北東部の高台に佇む1日1組限定の貸別荘「WORM」は、大阪湾を見下ろす絶景と豊かな自然が魅力です。敷地にはゲスト棟とアートディレクターであるオーナーご家族が暮らす住居棟が並び、裏手の段々畑では季節のハーブの収穫体験も可能です。ゲスト棟は約55㎡のワンルーム設計で、こだわりの家具やデザイン書籍が彩るライブラリー空間。大きな窓越しに海と空の変化を感じながら、ゆったりとした時間が過ごせます。設備は、専用キッチン、バスタブ付き浴室、Wi‑Fi、エアコン、プロジェクターなど充実。自炊も楽しめ、地元食材で特等席のディナータイムもおすすめです。静かな環境で心身ともにリフレッシュできる、大人の隠れ家です。
https://wormstay.jp/
10.ししいわハウス軽井沢
ししいわハウス軽井沢は、プリツカー賞受賞の建築家・坂茂氏が手がけた“森の中の木造リトリート”で、インテリアのこだわりが随所に息づいています。客室の内装は岐阜県産の高級ヒノキ材が床から天井まで全体に使われ、ヒノキのやさしい香りと温かみが全身を包み込みます。大きな窓と高い天井によって森と接続し、曲線的な構造が自然の流れを室内にもたらしています 。家具はすべて坂氏自身がセレクトまたはデザインし、ベッドやテーブルなどには紙管素材が使われています。これにより、独特の軽やかさとサステナブルな雰囲気が宿る空間に仕上がっています また、アルヴァ・アアルトなど北欧モダンの名作や、日本のアンティーク家具が控えめに配置され、洗練された知性と遊び心を感じさせます 。共用のグランドルームには天井高い暖炉コーナーや半円の窓があり、紙管ランプや季節の花、アートがディテールに彩りを添えるソーシャル空間です 。ライブラリーには杉本博司らの現代アート作品や建築書が並び、静かに創造性を刺激する設えが施されています 。全体として、ミニマルでありながら木と紙、アートの textura が織り成す丁寧な空間は、「住むように過ごすラグジュアリー」を体現しており、軽井沢の自然との調和と静謐な豊かさを味わえる設計です。
https://www.shishiiwahouse.jp/
いかがでしたでしょうか?
最近では、建築家やインテリアデザイナーが手掛けた宿泊施設など、インテリアの参考になる宿泊施設が増えていますので、日々の疲れを癒やしながら、素敵な空間に触れてみるのもいいと思います。
さて、次回はSOGOKAGUがおすすめする家具をご紹介いたします。