COLUMN

2019年9月24日

各地域特有の要素を組みこんだコミュニティ型ワークスペースWeWork Vol.2
世界展開のなかでの日本にあわせた空間づくり


クリエイティブ ディレクター アッシュ・エヴリィ
日本をふくめ世界28カ国105都市、485以上のコミュニティ型ワークスペースを展開・運営するWeWork。
WeWork Japan合同会社(以下WeWork Japan)のクリエイティブ ディレクターであるアッシュ・エヴリィさんに、
グローバル共通のデザイン要素、日本や各地域で特有の要素を活かしたデザインについてうかがいました。
ニューヨークで誕生したWeWorkですが、ヨーロッパやアジア、南米などにも展開され、2019年5月時点では105都市への進出を果たされています。日本のWeWorkの空間デザインでとくに工夫されていることを教えていただけますか?
アッシュ・エヴリィさん(以下:エヴリィ)
日本のメンバーたちにとって何が快適なのかを考えてデザインしています。たとえばプライバシー保護の度合いに応じて窓ガラスのコーティングやドット模様のシールで繊細に対応していたりしています。もう一つ面白い例に「掘りごたつ」もありますが、初めてWeWorkギンザシックスで導入して以来、いまはWeWorkオーシャンゲートみなとみらいやWeWorkなんばスカイオ、そしてWeWorkグローバルゲート名古屋にもあります。これは日本独特のものですね。掘りごたつはとても好評で、グローバルの他の拠点でも採用したいと言われる程です(笑)。
こうやって、日本の方々が好きな働き方をまず理解したうえで、それをデザインとして咀嚼してすこし形を変えながら、私たちのスペースに取り入れているんです。これまでと違う、新しい形の会議の場として利用されています。
そのような地域固有の特性や需要を読み取っていくのはとても大変そうですね。
エヴリィ
そうなんです。そして、それが私の仕事で一番重要な部分でもあります。私の仕事はWeWorkのグローバルデザインの方向性を基に、日本の拠点のデザインを決める事ですが、空間の設計やデザインをするときに最も重視しているのは、その地域にすでに存在しているコミュニティを理解するということなんです。そしてその地域独特のものを空間づくりに取りいれるようにしていくのですが、これはとてもやりがいがあります。
新しいロケーションが決まると、まずその建物や周辺を散策しながらメモをとり、同時に、その地域の歴史などの情報も集めます。ランドマークになるもの、庭園、美術館、居酒屋、酒蔵……何があるかは分かりませんが、各地で特別なものを見つけるのはやりがいのあることです。その地域の人なら「あっ、地元のものを使ってる!」と気づいてくれるでしょう。そんなふうに、私たちにひらめきをもたらしてくれそうなものを探すんです。見つける方法は一つだけではありません。
さまざまなロケーションへと事業展開されていてスピード感も驚異的ですが、チームでデザインをスムーズに進めるためのコツを教えていただけますでしょうか。
エヴリィ
チームメンバーに多様性があることです。私たちWeWork Japanのデザインチームの特色なんですが、現在は、日本人と海外のスタッフが約半々で構成されているんです。この組み合わせで、新鮮な発想がうまれ、物事が新しい方向へと動きます。もちろん、デザインを効果的に展開していく方法も開発していて、これが企業としてのWeWorkの強みですね。ただ一つの手法に安住するのではなく、よりよい結果を得るために、違ったやり方を採用してみることです。ただ単に誰かと話をするだけでは、目を見張るようなデザインを生み出すことはできません。そういったデザインは、スケッチを描いたり、メーカーの担当者と打合せを重ねたり、新しい考え方を試したり試作品を作ってみたり、さまざまなコミュニケーションから生まれるのです。
(*この記事は、英語でおこなったインタビューを日本語でまとめたものです)

PROFILE

アッシュ・エヴリィAsh Every
WeWork Japan クリエイティブ ディレクター
オーストラリア メルボルンのスウィンバーン大学にてインテリアデザインの学位を取得。その後、東京のインテリアデザインスタジオ、Puddleにてシニアデザイナーとして海外ブランドの店舗デザインなどに従事する。その後、スノーピークのリテールスペースデザイナーとして日本と米国のデザインプロジェクトを担当。2018年11月にWeWork Japanのクリエイティブ ディレクターに就任。グローバルで共通しているデザインを盛り込みつつも、各拠点に日本や地域特有の要素を活かしたデザインを取り入れたスペースのディレクションをする。これまでにWeWorkが展開されている全ての都市(東京・横浜・大阪・福岡・名古屋)の拠点デザインを指揮。
聞き手
牧尾晴喜HARUKI MAKIO

建築やデザイン関係の翻訳・通訳などを通じて、価値ある素材やデザインがより多くのひとに届くようにサポートしている。フレーズクレーズ代表。
一見普通だけれどちょっとこだわりのある家具や空間が好き。

このコラムでは、人々が集う居心地のよいインテリア空間をつくりだしている、国内外で活躍されているデザイナーへインタビューをしていきます!

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連載記事

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